4. 【観戦記】EFL チャンピオンシップ(英国2部) Match 36 カーディフシティ vs ブレントフォード
おはようございます、ErnestYukioです。
小学校以来の作文もようやく板についてきたのか、朝起きるとPCをまず開きたくてしょうがない今日この頃。
今も課題を進めようと近くの図書館に来ましたが、案の定こうやってブログを開く始末。
習慣とか癖って怖いですね。もしくはそれぐらい英国下部リーグには夢と希望が詰まっているということでしょうか。
しかし今日も今日とて、冷凍のピザを食べながら(結構美味しい)今までの試合をしっかりと振り返っていきたいと思います。
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今は昔2月29日土曜日、この日の少年チームの試合は悪天候で中止。朝からYouTubeで観た山本先生直伝のダンベルフライを試そうとジムに直行。
山本先生のEAA9は手元になかったので、プラシーボ効果を期待し、どっかの動画でみたピクルスの残り汁をかぶっと飲み。トレーニング後電車に飛び乗り、遠路英国西部カーディフへ。
カーディフシティは過去稲本潤一(元アーセナル、フラム、WBA)やキム・ボギョン(元セレッソ大阪)も所属していた、スウォンジーシティに並ぶウェールズ伝統のクラブ。
シーズン当初監督は英国のペップ・グアルディオラことニール・ウォーノック(YouTube動画が秀逸、趣味は釣り)でしたが、クリスマス目前に解任、前ミルウォール監督のニール・ハリスが就任しました。
選手ではMFレアンドロ・バクーナ(応援歌がテキーラ)、DFショーン・モリソン、FWカラム=パターソン(ウォーノック時代、競合いの強さを買われ、SBからFWにコンバート。ヘディングが武器なのに、たまにロングスローを自ら投げる)などプレミアリーグ経験者が多く在籍する中、ロングボール主体のギャンブルフットボールでコンディションを無視した試合を展開、結果が安定せず今シーズンはずっと中位に甘んじております。
一方のブレントフォードはロンドン西部の小さな街クラブ。昨シーズンより好調を維持、プレーオフ圏内に淡々と居座ります。
クラブオーナーのマシュー・ベンハム(プロのギャンブラー、統計分析会社を所有しているデータ分析のプロ)はデンマーク1部のミッテランも保有しており、デンマーク方面からスタッフや選手を引っこ抜き、フットボール版マネーボールの名の下に英国名物にはわき目も振らないアタッキングフットボールを展開。
昨年にはアカデミーを廃止するという大胆な施策をしたり、DFメファム(現PLボーンマス、ウェールズ代表)、FWマペイ(現PLブライトン)、DFコンサ(現PLアストンヴィラ)など良質な選手を育て高額で売却するベンチャー気質に溢れるクラブ。他チームにもブレントフォードにはPLで闘って欲しいと言うサポーターが多いです。
監督はトーマス・フランク(デンマークのアンダー世代の監督を歴任)、選手ではWGサイード=ベンラーマ(右利きだけどアルジェリアのメッシ)やDFポンタス・ヤンセン(スウェーデン代表、ただただデカい)が注目。
<試合概要>
さあ、それではスターティングメンバーは以下の通り。
カーディフシティ=青(CFC)、ブレントフォード=赤(BRT)
CFCは英国西部名物の6人で守って、4人で攻める1ー4ー2ー3ー1の布陣。冬のマーケットで共にローンで獲得したWGアドマー(アストンヴィラやブリストルシティでプレー)、SBサンダーソン(元ウォルバーハンプトン)がスタメンに名を連ねます。注目はなんといっても先発のFWパターソン。彼が競り勝つか負けるかでカーディフの勝敗も決まります。
注目のベンチャー企業BRTは、これまた若々しくモダンな1ー4ー1ー2ー3を採用。ヤンセンはベンチ外、WGベンラマ、ムベウモ、CMマルコンデス(以前デンマークリーグ最優秀選手を受賞)に注目です。
試合は開始5分、特に何も起きないまま、あっさりとBRTがコーナーキックからCBラシッチのゴールで先制。
その後BRTは2CB+2SB+1DMFでクリーンなビルドアップを狙い、CMマルコンデス、ダ・シルバやWGベンラーマ、ムベウモが次々と裏へライン間へとポジションを変えながら、ボールを引き出します。
他には相手陣地内低めの位置にポジションを取ったSBにボールを預け、そこからSB+CM+WG+FWのコンビネーションで崩していくなど、やはりベンチャー企業らしい「とりあえず新しいことはやってみるでしょ」的な愉快な攻撃が展開されます。
特にファイナルサードではCMやWGが相手DFラインの背後や、DFーMF間のスペースへのランニングをこれでもかとばかりに繰り返しており、パスが来なくてもスペースが空くことで、テクニカルな選手たちの特性がいかんなく発揮されているように見えます。
しかし、CFCのコンパクトなDFラインを前に、なかなかBRTの強力アタッカー陣をもってしても、ボックス内まで侵入することができません。
一方の守備では、CFCが英国名物大好きということもあり、なかなか中盤でのプレスを掛けるタイミングがなく、DFラインでの1対1が多いBRT。前半からDFからFWまでのラインが間延びしてしまう場面が見られ、セカンドボールがパターソンの前に落ちると結構な確率でCFCに拾われていました。
対するホームCFCは「うちはこれしかないから」と、職人を連想させるようなFWパターソンの頭もしくはWGアドマー、ホイレットの裏へのロングボール3本勝負で攻撃の活路を見出します。
だがそこはデータ分析に強いBRT。パターソンをマークするDFピノックは彼がヘディング以外のアクションボタンを持っていないことを知っているかのごとく、パターソンがジャンプするのを見ると、競り合うフリをしてすぐに後ろに3、4歩ステップを踏んでボールを拾うという名人芸を披露。
しかし流石の漢パターソン、「自分不器用ですから」と言わんばかりにヘディングでの競合いに終始。ロングボール→高倉健(パターソン)がヘディング→ピノックが回収という無限ループが何故か形成されると、「日本生命のCMじゃないんだから、一回やられたら流石に気づけよ」とCFCサポーターのため息が漏れます。
それでもカーディフのロングボールが稀にパターソンの前に落ちると、前述の通りOMFロールズやCMバクーナが回収、WGに展開、クロスまで持っていくというシーンが出始めます。
しかしGKのビルドアップから、ベンラマのカットインを止めきれず、バイタルエリアでパスを受けたCMを守備に戻ったWGホイレットが倒してしまい、FK献上。これをムベウモが左足一閃見事な弾道で決め2ー0。スタジアム上空も曇ってまいりました。
そんなこんなで前半まだ20分足らずで2ー0となったCFCは、サイドの攻撃でサンダーソンやベネットを押し上げ、少しだけサイドでの地上戦の割合を増やします。それでもコンパクトかつハイラインなBRTのDF陣を前に、スペースがなく、パターソンも苦手な足元で受けざるおえない始末。
だが不思議なことに、WGアドマーも予測していなかったと言わんばかりに、なんとなくDMFヴォークスから右サイドに素晴らしいスルーパスが通ると、折り返しをファーサイドにいたホイレットが押し込み、一点お返し。周りのCFCファンも首を傾げます。
そしてなんとなく右サイドアタックから得たスローインを、ヴォークスが英国名物ロングスロー、パターソン番長ではなくキャプテン・モリソンがヘディングでフリックすると、ファーサイドにいたロールズが押し込み、あっという間に同点。「あら、入っちゃったよww」といった感じでスタジアムのボルテージも最高潮に。
そして前半終了。屋根付きのバックスタンドですが、それ以上に風が強く、霰や雨粒がスタンド内にどんどん入ってきます。設計ミスだろ。
後半はのっけからCFC優勢といった感じ。ロングボール大作戦がパターソンやサイドの裏のスペースに収まり始めます。
BRTは遠征疲れからか、前半でも掛かっていなかった中盤のプレスがより掛からなくなってしまい、ファイナルサードからのトランジションやセットプレー後のトランジションで、CFCのロールズ、バクーナに自由にボールを運ばれてしまいます。
それでもBRTはクリーンなビルドアップからベンラマのカットインを中心にヴァイタルエリアに侵入しますが、シュートをボックス内からやはり打たせてもらえません。
CFCは中盤でのトランジションからロールズ、アドマー、漢パターソンと繋ぎ、右サイドからパターソンは頭ではなく右足でグラウンダーのクロスをファーサイドに送りますが、なぜかこの位置まで上がっていたLSBベネットは枠に押し込めず。ため息がカーディフ市内からも漏れます。
そんなこんなで後半は見所なく、当方も観戦に疲れて2ー2で試合終了。非常に気味の悪い試合となってしまいました。
個人的MOM: ジョー・ロールズ(CFC)
理由:訳の分からない混沌とした試合において、運動量を活かし相棒パターソンのおこぼれをひたすら回収。ボールサイドに積極的に絡み、同点弾も決めるなど、OMFの役割を完遂。
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CFCはゲームモデルがあまり定まっていない様子。
BRTはロングボールが多いチャンピオンシップで、中盤のプレスをいかに効果的にかけるかが
課題でしょうか。
それでは、また次回、下部リーグの旅は続く。