5. 【備忘録】3月17日 ロンドン・ガトウィック空港
おはようございます、ErnestYukioです。
今回はただの備忘録なので、前置きなしで。
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3/17
2:20AM:起床。シャワーを浴び、部屋で最後の荷物整理。
3:00AM:キッチンで軽く朝食。この2ヶ月姿を見かけていなかった他の部屋の住人Aが、「鍵がないから開けてくれ」とキッチンの窓を叩く。
3:20AM:Aがルームメイトのキッチンの棚を勝手にあさり始める。やはりお前だったのか。
4:00AM:ずっと話し続けるAを無視し、荷物を持って部屋を出る。
4:40AM:近くの駅にバスが到着。始発電車が工事の影響で走れないため代走。運転手が「今日が初出勤で道がわからない」というが、無視して寝る。
5:55AM:それでも何とか目的地に時間通り到着。知ってるやん、道。
6:55AM:怪しい雰囲気のマックで朝食をとった後、一路ロンドン・ガトウィック空港へのバスに乗車。マスクと手袋をしている東欧系の女学生がいる。
12:15PM:ガトウィック空港着。快適な旅。
12:30PM:トルコ航空のチェックインカウンターに並ぶ。後4時間近くあるけど、すでにトルコ人だらけ。
1:00PM:まだ開かない。後ろではイスラム教徒の女性がスペイン語を話している。一向にカウンターが開かなそうなため、昼飯探し。
2:15PM: カウンターに再度並ぶと、アジア系の女性が「フライトキャンセルになったわよ」と一言。悲鳴と怒号が飛び交う中、トルコ航空の係員登場。「とにかくフライトはキャンセルです。トルコ国民の方はレスキューフライトがあるから大使館に連絡してくれ」といって帰っていく。トルコ突然の国境封鎖。当方含め日本人の旅行客も多数。
2:35PM:冷静にUAEはドバイ経由のフライトを予約。結構安かった。念の為、フライト状況やイミグレの状況も調査。問題なさそう。
今晩のホテルも予約。
2:43PM:フライト予約確定のメール受信。安心して、カフェへ。
3:15PM:携帯を見ると、在ドバイ大使館のページが更新され、「UAEは今後例外なく外国人の入国を停止」の一文字。
背筋に寒気が走るが、冷静に考えるとドバイはトランジットなので入国審査無し。
3:45PM:インド人の友達と電話。トルコとドバイの件を話したら「俺なんてどうやっても祖国の地踏めんから!」と爆笑される。
インドは例外なくヨーロッパから入国出来ない模様。
4:00PM:一応エミレーツのカウンターにトランジットの件を確認。「大丈夫だよ兄ちゃん」となだめられる。
5:00PM:フォレストグリーンローヴァーズ(英国の誇る世界初100%ヴィーガンサッカークラブ)に思いを馳せながら、マークアンドスペンサーでサラダを買い漁る。
9:00PM:今に至る。
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ノルウェー航空がガトウィック発の便をかなりキャンセルしたみたいで、
老若男女が狼狽していました。
トルコ航空からのアナウンスがあった後、トルコ国民の皆さんはリヴァプールばりの切り替えの速さで何故か空港の駅の方へ。
JFAの田嶋会長がUEFA(ヨーロッパサッカー協会)総会後にコロナウイルス陽性になったりと、本当に今ヨーロッパは混乱している模様。
僕も帰ったら2週間精神と時の部屋に入る予定です。
では、また次回、フットボールの旅は続く。
4. 【観戦記】EFL チャンピオンシップ(英国2部) Match 36 カーディフシティ vs ブレントフォード
おはようございます、ErnestYukioです。
小学校以来の作文もようやく板についてきたのか、朝起きるとPCをまず開きたくてしょうがない今日この頃。
今も課題を進めようと近くの図書館に来ましたが、案の定こうやってブログを開く始末。
習慣とか癖って怖いですね。もしくはそれぐらい英国下部リーグには夢と希望が詰まっているということでしょうか。
しかし今日も今日とて、冷凍のピザを食べながら(結構美味しい)今までの試合をしっかりと振り返っていきたいと思います。
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今は昔2月29日土曜日、この日の少年チームの試合は悪天候で中止。朝からYouTubeで観た山本先生直伝のダンベルフライを試そうとジムに直行。
山本先生のEAA9は手元になかったので、プラシーボ効果を期待し、どっかの動画でみたピクルスの残り汁をかぶっと飲み。トレーニング後電車に飛び乗り、遠路英国西部カーディフへ。
カーディフシティは過去稲本潤一(元アーセナル、フラム、WBA)やキム・ボギョン(元セレッソ大阪)も所属していた、スウォンジーシティに並ぶウェールズ伝統のクラブ。
シーズン当初監督は英国のペップ・グアルディオラことニール・ウォーノック(YouTube動画が秀逸、趣味は釣り)でしたが、クリスマス目前に解任、前ミルウォール監督のニール・ハリスが就任しました。
選手ではMFレアンドロ・バクーナ(応援歌がテキーラ)、DFショーン・モリソン、FWカラム=パターソン(ウォーノック時代、競合いの強さを買われ、SBからFWにコンバート。ヘディングが武器なのに、たまにロングスローを自ら投げる)などプレミアリーグ経験者が多く在籍する中、ロングボール主体のギャンブルフットボールでコンディションを無視した試合を展開、結果が安定せず今シーズンはずっと中位に甘んじております。
一方のブレントフォードはロンドン西部の小さな街クラブ。昨シーズンより好調を維持、プレーオフ圏内に淡々と居座ります。
クラブオーナーのマシュー・ベンハム(プロのギャンブラー、統計分析会社を所有しているデータ分析のプロ)はデンマーク1部のミッテランも保有しており、デンマーク方面からスタッフや選手を引っこ抜き、フットボール版マネーボールの名の下に英国名物にはわき目も振らないアタッキングフットボールを展開。
昨年にはアカデミーを廃止するという大胆な施策をしたり、DFメファム(現PLボーンマス、ウェールズ代表)、FWマペイ(現PLブライトン)、DFコンサ(現PLアストンヴィラ)など良質な選手を育て高額で売却するベンチャー気質に溢れるクラブ。他チームにもブレントフォードにはPLで闘って欲しいと言うサポーターが多いです。
監督はトーマス・フランク(デンマークのアンダー世代の監督を歴任)、選手ではWGサイード=ベンラーマ(右利きだけどアルジェリアのメッシ)やDFポンタス・ヤンセン(スウェーデン代表、ただただデカい)が注目。
<試合概要>
さあ、それではスターティングメンバーは以下の通り。
カーディフシティ=青(CFC)、ブレントフォード=赤(BRT)
CFCは英国西部名物の6人で守って、4人で攻める1ー4ー2ー3ー1の布陣。冬のマーケットで共にローンで獲得したWGアドマー(アストンヴィラやブリストルシティでプレー)、SBサンダーソン(元ウォルバーハンプトン)がスタメンに名を連ねます。注目はなんといっても先発のFWパターソン。彼が競り勝つか負けるかでカーディフの勝敗も決まります。
注目のベンチャー企業BRTは、これまた若々しくモダンな1ー4ー1ー2ー3を採用。ヤンセンはベンチ外、WGベンラマ、ムベウモ、CMマルコンデス(以前デンマークリーグ最優秀選手を受賞)に注目です。
試合は開始5分、特に何も起きないまま、あっさりとBRTがコーナーキックからCBラシッチのゴールで先制。
その後BRTは2CB+2SB+1DMFでクリーンなビルドアップを狙い、CMマルコンデス、ダ・シルバやWGベンラーマ、ムベウモが次々と裏へライン間へとポジションを変えながら、ボールを引き出します。
他には相手陣地内低めの位置にポジションを取ったSBにボールを預け、そこからSB+CM+WG+FWのコンビネーションで崩していくなど、やはりベンチャー企業らしい「とりあえず新しいことはやってみるでしょ」的な愉快な攻撃が展開されます。
特にファイナルサードではCMやWGが相手DFラインの背後や、DFーMF間のスペースへのランニングをこれでもかとばかりに繰り返しており、パスが来なくてもスペースが空くことで、テクニカルな選手たちの特性がいかんなく発揮されているように見えます。
しかし、CFCのコンパクトなDFラインを前に、なかなかBRTの強力アタッカー陣をもってしても、ボックス内まで侵入することができません。
一方の守備では、CFCが英国名物大好きということもあり、なかなか中盤でのプレスを掛けるタイミングがなく、DFラインでの1対1が多いBRT。前半からDFからFWまでのラインが間延びしてしまう場面が見られ、セカンドボールがパターソンの前に落ちると結構な確率でCFCに拾われていました。
対するホームCFCは「うちはこれしかないから」と、職人を連想させるようなFWパターソンの頭もしくはWGアドマー、ホイレットの裏へのロングボール3本勝負で攻撃の活路を見出します。
だがそこはデータ分析に強いBRT。パターソンをマークするDFピノックは彼がヘディング以外のアクションボタンを持っていないことを知っているかのごとく、パターソンがジャンプするのを見ると、競り合うフリをしてすぐに後ろに3、4歩ステップを踏んでボールを拾うという名人芸を披露。
しかし流石の漢パターソン、「自分不器用ですから」と言わんばかりにヘディングでの競合いに終始。ロングボール→高倉健(パターソン)がヘディング→ピノックが回収という無限ループが何故か形成されると、「日本生命のCMじゃないんだから、一回やられたら流石に気づけよ」とCFCサポーターのため息が漏れます。
それでもカーディフのロングボールが稀にパターソンの前に落ちると、前述の通りOMFロールズやCMバクーナが回収、WGに展開、クロスまで持っていくというシーンが出始めます。
しかしGKのビルドアップから、ベンラマのカットインを止めきれず、バイタルエリアでパスを受けたCMを守備に戻ったWGホイレットが倒してしまい、FK献上。これをムベウモが左足一閃見事な弾道で決め2ー0。スタジアム上空も曇ってまいりました。
そんなこんなで前半まだ20分足らずで2ー0となったCFCは、サイドの攻撃でサンダーソンやベネットを押し上げ、少しだけサイドでの地上戦の割合を増やします。それでもコンパクトかつハイラインなBRTのDF陣を前に、スペースがなく、パターソンも苦手な足元で受けざるおえない始末。
だが不思議なことに、WGアドマーも予測していなかったと言わんばかりに、なんとなくDMFヴォークスから右サイドに素晴らしいスルーパスが通ると、折り返しをファーサイドにいたホイレットが押し込み、一点お返し。周りのCFCファンも首を傾げます。
そしてなんとなく右サイドアタックから得たスローインを、ヴォークスが英国名物ロングスロー、パターソン番長ではなくキャプテン・モリソンがヘディングでフリックすると、ファーサイドにいたロールズが押し込み、あっという間に同点。「あら、入っちゃったよww」といった感じでスタジアムのボルテージも最高潮に。
そして前半終了。屋根付きのバックスタンドですが、それ以上に風が強く、霰や雨粒がスタンド内にどんどん入ってきます。設計ミスだろ。
後半はのっけからCFC優勢といった感じ。ロングボール大作戦がパターソンやサイドの裏のスペースに収まり始めます。
BRTは遠征疲れからか、前半でも掛かっていなかった中盤のプレスがより掛からなくなってしまい、ファイナルサードからのトランジションやセットプレー後のトランジションで、CFCのロールズ、バクーナに自由にボールを運ばれてしまいます。
それでもBRTはクリーンなビルドアップからベンラマのカットインを中心にヴァイタルエリアに侵入しますが、シュートをボックス内からやはり打たせてもらえません。
CFCは中盤でのトランジションからロールズ、アドマー、漢パターソンと繋ぎ、右サイドからパターソンは頭ではなく右足でグラウンダーのクロスをファーサイドに送りますが、なぜかこの位置まで上がっていたLSBベネットは枠に押し込めず。ため息がカーディフ市内からも漏れます。
そんなこんなで後半は見所なく、当方も観戦に疲れて2ー2で試合終了。非常に気味の悪い試合となってしまいました。
個人的MOM: ジョー・ロールズ(CFC)
理由:訳の分からない混沌とした試合において、運動量を活かし相棒パターソンのおこぼれをひたすら回収。ボールサイドに積極的に絡み、同点弾も決めるなど、OMFの役割を完遂。
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CFCはゲームモデルがあまり定まっていない様子。
BRTはロングボールが多いチャンピオンシップで、中盤のプレスをいかに効果的にかけるかが
課題でしょうか。
それでは、また次回、下部リーグの旅は続く。
3. 【観戦記】 EFL リーグ1 (英国3部) Match 26 ブリストル・ローヴァーズ vs フリートウッド・タウン
おはようございます、ErnestYukioです。
指導教官から昨日英語のライティングに関して酷評いただいたところ、友達の英国紳士も「俺も同じコメントだったわー」とのことで、英語の奥深さを認識致しました。
Write&Improveというサイトがおそらく有名ですが、ライティングの特訓をするにはとても面白いですので、一応共有まで。AIが添削してくれます。
コロナウイルスの影響が我らが英国プロフットボール界にも影を落とし、今月どこかから無観客試合をという声も主に北の方を中心に聴こえてきております。
まあ得体が知れないですもんね。「新型」って「恐怖」の枕詞みたいなものですもんね。
今のところ地球の人口比の新型コロナウイルスの感染率は、英国のコーチ全体に占めるプロフェッショナルコーチの割合より低いらしいので(Robinson?)、ハードルは高いものと思いこんでいます。
今週末の試合の開催を祈りつつ、今日も今日とて夢の箱の中に眠るチケットを探り、英国プロフットボール(英国人はサッカーと言ってはいけないらしい)の奥深さを紹介できればと思います。
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時は遡り1月25日土曜日、テストもなく試合もなく朝からジムでたるんだ背中をいじめた後、電車に乗り込んだ僕は一路英国南西部はブリストルへ。
ブリストルには2部チャンピオンシップで闘うブリストル・シティもいますが、ブリストル・ローヴァーズはもっとアットホームな古き良きクラブといった感じ。
ホーム・メモリアルスタジアムの一階席はバックスタンドとホームゴール裏が全て立ち見で、是政の競艇場(適当)や地方競馬場(適当)のような雰囲気。売店には英国名物のパイしか置いてなく、ハンバーガー党の僕は相手にされていませんでした。
ブリストル・ローヴァーズの監督ベン・ガーナーは39歳の若手急先鋒(UEFA Pro License受講時の指導教官がまさかのモウリーニョ)ということで、どんな采配を振るうのか期待大です。選手では、GKジャマル=ブラックマン(チェルシーアカデミー出身、スケールの大きさからリーズなど移籍した先で毎回活躍を期待されるが、あまりパっとしない)ぐらいが有名で、それ以外の情報は皆無。
一方のフリートウッド・タウンはイングランド北西部(リヴァプールからさらに北の方)の海沿いの町。監督はなんとなんとのジョーイ=バートン(元ニューカッスル、マルセイユのMFで英国悪童界のアイドル的存在。相手を蹴飛ばし、レッドカードをもらうことに関してはワールドカップ級)であり、監督になった彼がどのような極悪非道なヒールレスリングを見せてくれるのか期待です。
他にはウイニングイレブン2008でみた事のあったFWチェド=エヴァンス(元マンチェスターC)やMFウィーラン(元ストーク、アイルランド代表)など、際どいメンバーが揃っています。
<試合概要>
さあ、それではスターティングメンバーは以下の通り。
ブリストル・ローヴァーズ=青(BRR)、フリートウッドタウン=赤(FTW)
BRRは1−4−3−3を採用。FWクラーク=ハリスは六本木のクラブのセキュリティみたいな風貌で、明らかにハイボールに強そう。WGバーレットはテベスやシャキリを彷彿とさせる豆タンク系の選手で、突破力がありそうです。CBデイビスは上背があるものの、あまりスピードは期待できなさそう。
FTWはこれまた昔のバートンからは想像もできない1−3−5−2を採用。DMFウィーランがアンカーとなり、CMデンプシーはテクニカルな後ろ姿。3CBは全員高身長で、さながらRBライプツィヒのようです。
序盤から両者戦い方が明確に分かれます。
BRRはとにかくまずFWクラーク=ハリスめがけてボールを蹴り飛ばす、古き良き英国フットボール。こぼれ球を拾えたら同サイドのWGとSBがなんとかしてクロスに持っていくか、勢いでサイドチェンジをし、逆サイドに孤立しているWGをうまく使うというシンプルなもの。ただFWがボールを収める事ができず、なんとなくこぼれ球を拾うしかない状況が続きます。
一方のFTWはなんとなんとバートンからは想像できないような、中盤以上がぐるぐる動きまわる現代風のサーカスフットボール。3CBとDMFでダイヤモンドを作り、DMFを経由したクリーンなビルドアップからライン間に入ったCMもしくは落ちてきたFWにボールを収め、HSの攻略もしくはWBがニアゾーンに侵入していく形でゴールを狙います。
RCBが持ち上がって割とシンプルに相手SBの裏めがけてRWBを走らせる形もあり、悪童バートンも更生したのか、いろいろと面白い攻撃の仕掛けを作りこんでいるようでした。
BRRの守備はミドルゾーンでブロックを作ってから相手ボールを引っ掛ける作戦。しかしDFとMFのライン間に入ってくるFTWのCMやFWを、DFとMFどちらでチェックするのか決まっていないようで、DFラインの手前をFTWに面白いように支配されます。
特に気になったのは、DMFアップソンがFTWのアンカーをチェックするわけでもなく、かといって自分とCBの間に入ってくる相手をケアするわけでもなかったので、
FTWは正反対に前線から激しくプレッシング。BRRにロングボールを蹴らせ、CBが回収する強気な守備。たまに押し込まれる時はコンパクトな5−3−2のブロックを作り、バイタルエリアは絶対やらせないというベースボールキャップ姿のバートン兄の意気込みが感じられました。
BRRはFWクラーク=ハリスにたまにクロスがはまるものの、シュートミスやこぼれ球を決めきれずパッとしない様子。
FTWもライン間とサイドを攻略しますが、BRRもGKブラックマンを中心に意地のディフェンスを見せます。
前半はそんなこんなでお互いにチャンスを決めきれず0−0。特に気になったのは、BRRのDMFアップソンがFTWのアンカーをチェックするわけでもなく、かといって自分とCBの間に入ってくる相手をケアするわけでもなかった点。後半はライン間のマネージメントをモウリーニョチルドレンのガーナーがどう修正するのか、期待です。
そんなことをスタンドからノートに書いていたら、隣のおばちゃんから「あなたなんでノートなんてとってるの?どこサポーターなの?」としつこく聞かれたので、「ウエストハムサポーターです」と適当に返事しておきました。
後半はBRRがハーフタイムにうまく修正をかけた印象。さすがポルトガルが誇る体育教師の弟子ガーナー。4−2−3−1のような形でほぼマンマークを作り、FTWにスペースを与えません。
DFラインも前半よりチェックが早く厳しいものになり、前半ほどFTWはCMやFWを攻撃の起点にする事ができず、英国名物対空砲に頼るようになります。
ここからがこの試合の見所。FTWのベースボールキャップ監督は後半開始15分でマンツーマンを貼られるやいなや、選手交代でCMを下げ、アタッカーを投入。1FW2シャドーのような形を作り、再び前線を支配します。4DFに対してFTWは3FW+2WBをべったりペースト。これで数的優位が生まれ、DF−MFライン間は再度FTWのものとなります。
負けじとガーナーもDMFアップソンをCBに下げ、5−2−3のDFブロックを形成。ベースボールキャップ兄にしっかりと追随していきます。
高度な陣地の取り合いの結果、両チームの疲労も相まって、気づけばベンチワークとは裏腹にピッチでは英国名物の応酬。そんなこんなでお互いやはりどっち付かずな試合展開が後半も続きます。
そして迎えた後半80分すぎ、右サイドからの崩しでペナルティエリア内のBRRの選手が倒され、PK獲得。キッカーはFWクラーク=ハリス。
適切な助走から蹴り出されたボールは、見事GKの足にセーブされます。
これまで聞いたことのない音量のため息がスタンドから漏れると、サポーターたちは一斉に帰路につき始めました。この見切りの速さがなんともいえません。
僕も帰りの電車の問題があり、ロスタイムに突入したところで帰宅。
2階席の階段では、先ほど席を立った英国紳士たちがやはり結果が気になるのか、立ち止まって観戦を続けていました。家は近所なんだろうから座って観ていればいいのに。
個人的MOM:ジョーイ=バートン(FTW)
理由:彼のアイデアかは不明だが、DFーMFライン間の主導権を常に握る作戦が観られたから。
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BRRは守備戦術の柔軟性は見受けられますが、今後攻撃のレパートリーを英国名物以外で構築していけるのか。
FTWは攻撃の形はできているので、あとはいかにフィニッシュに効率よく結びつけられるかが課題でしょうか。
では、また次回、下部リーグの旅は続く。
2. 【観戦記】EFL リーグ2 (英国4部)Match34 スウィンドン・タウン VS グリムズビー・タウン
おはようございます、ErnestYukioです。
厳しい冬を乗り越え、英国も徐々に日が伸びてきました。
すでに街には半袖半ズボンの中年男性すら見受けられます。みなさんまだまだ2次成長期なんでしょうか。
さて今回は、来週まで試合がないため、これまでの観戦メモをめくりながら、過去に観た試合をレビューするという蛮行をすることに。
今までのチケットの束をめくりながら、どれにしようかなと部屋で吟味していたら、
1枚のチケットにドミノピザの半額クーポンが付いていました。食育がなっていない。0点。
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というわけで今回は英国4部リーグ2、スウィンドン・タウン対グリムスビー・タウンのレビュー。
2月22日土曜日、この日もベンチに入れない少年チームの試合を柵越しに観戦後、電車に飛び乗りスウィンドンへ。
スウィンドンはロンドンから電車で西に1時間半ぐらい行ったところにあります。
少し早く着いたので、駅近くのカフェでお昼ご飯をと思い、朝食セットを注文。
イギリスのカフェでは割とどこでも24時間朝食が食べられます。1番ボリュームがあって値段も安い(それでも900円くらい)。
そんなことはさておき、前情報としては、141年の歴史(明治12年設立)を持つスウィンドンタウンはリーグ2で首位(本日時点でクルーアレクサンドラに得失点差で抜かれ、暫定2位に転落)を走っており目下絶好調。
過去には元東京V、町田ゼルビアの監督でもあるアルディレス(スウィンドンではプレイヤー兼マネージャーだった)やイタリアの紳士ディ=カニオ(ウェストハム時代にFIFAフェアープレー賞を受賞したり、ファシスト式敬礼をして世間から非難を受けたり)も在籍。
選手について誰一人情報を持ち合わせておりませんが、監督のリッチー・ウェレンスは2010年ごろ当時チャンピオンシップにいたレスターに在籍。この時我らが阿部勇樹と一緒にプレーしています(当時のレスターの監督はパウロ=ソウザ→エリクソン)。どんなプレースタイルなのでしょうか。
一方のアウェイ、グリムスビータウンはイングランド北部の小さな港町(フィッシュ&チップスが美味しいことで有名らしい)。
監督はイアン=ホロウェイ(10年くらい前ブラックプールをPLに昇格させたイングランドの知将。ハンチング帽がトレードマーク)で、今シーズン途中から監督に就任。ポゼッション志向のアタッキングサッカーを信望するホロウェイ翁ですが、はたしてグリムズビーではどうなのでしょうか。
3年前に5部ナショナルリーグからプレーオフを勝ち抜き(決勝戦の対戦相手フォレストグリーン・ローヴァーズは世界初の100%ヴィーガンクラブらしい)劇的な昇格を果たすと、リーグ2に定着。以前にはディーン・ヘンダーソン(現PLシェフィールドUのGK、イングランド代表)もローンで在籍。
選手に関する情報は皆無ですが、FWビリー・クラークは以前サッカーゲームの「フットボールマネージャー」でチャールトンを選択した際当時在籍していたので、名前と顔は知っていました(年齢の問題で当方すぐに彼を売却した)。以上。
<試合概要>
さあ、それではスターティングメンバーは以下の通り。
スウィンドンタウン=赤(SWT)、グリムズビータウン=青(GRT)
SWTはモダンな1-4-1-2-3の配置、一見するとFWイェーツとドイルの体格はC.ロナウドやヴェルナーを彷彿とさせるものがあります。そして中盤CMのドーティはピルロを彷彿とさせるやる気のない佇まい。なにやらワクワクしてきました。
一方のグリムズビータウンはホロウェイ翁名物の4-3-3のスターティングポジション。守備になるとFWヴァーナムとハンソンが戦前に残り、4-4-2のブロックを作るイメージ。
この試合で忘れてはいけないのが、風の強さ。スウィンドン駅を出た時は空は晴れているのに風で飛ばされそうになるぐらいでした。僕が現役だったら絶対試合はサボってます。
キックオフ直後からSWTはドーティとグラントの2CMがDFの前に落ちてくる形でボールを引き出し、ジャイイェシミ(読み方がわからないので名前長いのとで、とりあえずイニシャルDJ)は相手のDFとMFのライン間をウロウロしながらビルドアップします。SWTはここからあまり細かいことを考えず、逆サイドに大きく張っているWGめがけて高速サイドチェンジをバンバン送っていきます。
ところが今日はあいにくの暴風。この高速サイドチェンジのボールは風にのってリニアモーターカーとなり、隣街のレディングまで行くのではというぐらい伸びて、ことごとくサイドライン、ゴールラインを割っていきます。
守備では流石リーグ1位、全く恐れることなく前線からプレスを掛け、ロングボールが入ろうものならDFがマンツーマンでどうにかするという強者のフットボールを採用していました。それでも度々カウンターを食らってしまうのは、人間である以上避けられないのかと。たまーに押し込まれるときは、4ー2の6人ブロックで守るこれまた強者の戦法を取ります。
一方のGRT、攻撃ではFWハンソンとクラークがポストの役割を入れ替えながら、LWGのヴァーナムをメインに使ってサイドを攻略していくイメージ。しかしSWTがボールを支配する時間が長く、またプレッシャーが強いこともあり、どうしてもATTトラジションがハンソンへのロングボールになってしまい、攻撃に枚数を掛けられません。なんとか相手の中盤のミスを拾ってショートカウンターを左サイドメインで繰り出しますが、それもランダム。試合の主導権はSWTに握られたまま。
そして何よりの暴風日和。前半は向かい風の為、なかなかトランジションのロングボールがFWまで届きません。それではと地上戦に持ち込もうとしますが、SWTのFWへのチェックは速く、またGRTの中盤は皆航空機の運転免許しか持っていないのか、中盤での簡単なトラップミスやショートパスのミスでボールを失い、せっかくのポゼッションを相手陣地まで進めることができません。
GRTのDFは前線からのプレスではなく、当初4ー4ー2のブロックを作りじっくり構える形。しかしDJがあまりにもライン間をウロウロしすぎてうっとおしかったのか、ホロウェイ翁は途中からFWを1枚MFラインに下げ、DMFベンソンがライン間のバガボンドDJをケアすることに徹底していました。
SWTはサイドチェンジからのワイドの1対1、ウロウロするDJに適当にボールが収まったらコンビネーションからニアゾーンを狙う形で攻め込みますが、7〜8人で固められたGRTのゴール前はシンプルな中へのクロスやマイナスの折り返しではなかなかこじ開けられません。
そんなこんなで0ー0で両チーム折り返し。隣のシーズンチケットホルダーのおじちゃんも、「今日は駄目な日か」とつぶやきながら、ビールを買いに階段を降りていきました。
追い風でGRT航空部隊が有利かと思われた後半は、立ち上がりからSWTが試合をコントロールします。
SWTの中盤が地上戦でミドルゾーンを支配。またロングボールのサイドチェンジも向かい風がちょうどいい距離感を生み、前半とは打って変わってドンドンWGに入っていくため、ショート、ミドル、ロングとパスのドン・キホーテ(僕の担当の先生は日本に旅行した時ドン・キホーテでGshockを買ったらしい)となったSWTが怒涛のラッシュを開始早々から掛けます。
そしてサイドからのクロスもニアやセンターではなく、ファーサイドに数的優位を作っておいて、そこを狙う形に変わったように見受けられました。そんなこんなで後半開始から15分程で、すべてクロスから3点を立て続けにゲット。GRTのやる気を完全に挫きます。
ホロウェイ翁は選手交代や、前線に3枚残し4ー3ブロックでの守備に切り替え局面を打開しようとしますが、「ああ、もうだめじゃー」と打つ手なしといった様子。
また前がかりになるGRTに対してFWイェーツがことごとくボールを収め、思うようにはいきません。
なんとなくコーナーからGRTが1点を返しますが、特に試合の流れを変えるわけでもなくそのまま試合終了。
結果3ー1でSWTが1位の貫禄を見せつけました。
個人的MOM: ジェリー・イェーツ(SWT)
理由:上背はそこまでないが、ヴェルナーっぽい強さ、速さ、足下のテクニックとパッと見のバランスが秀逸。
レンタル元のロザラムも3部リーグ1で2位と好調のため、今後の去就に注目。
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SWTは流石上位、サイドチェンジのコンセプトとFW、CMのクオリティが特に素晴らしいチームでした。
一方のGRTはホロウェイ翁といえど、手持ちの選手ではアタッキングサッカーを再現しきれていないような印象でした。
それではまた次回、下部リーグの旅は続く。
1.【観戦記】EFL チャンピオンシップ(英国2部) Match 37 スウォンジーシティ vs WBA
初めまして、ErnestYukioです。
現在20代の折り返しちょっと過ぎ、何を血迷ったかサラリーマンを辞め、現在イギリスでサッカーと勉学に囲まれる生活を送っております。
サッカー観戦が習慣となってしまいました。
プレミアリーグは世界中どこでも見れるという事で、目下屋台のハンバーガーを食べながら、英国下部リーグをひたすら行脚しているところでございます。チケットの束はもう数十枚。
というわけで、このブログで英国(たまに世界)の下部リーグの魅力を少しでも伝えていけたらと思います。
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さて、英国での生活も約半年を経過。英国北部や諸外国の方々のアクセントにも慣れてきた今日この頃。
日本がコロナウイルスで大変だとか言っていたら、イギリスも徐々にざわざわとしてきた。
「ただの風邪だろ」と言っていた学校の先生は、患者が百人を超えた数日前から急に授業前後の握手をやめたりと、極端かつ淡白。
そんななか、手続きの問題でなかなかコーチとしてベンチ入りさせてもらえない少年チームの試合後、すぐに電車に飛び乗り、遠路はるばるスウォンジーへ。
スウォンジーといえば現レスターのブレンダン・ロジャース、ベルギー代表監督のロベルト・マルティネスが以前監督をしていた由緒正しきウェールズのクラブチーム。
昨シーズン、グレアム・ポッター(現ブライトン監督、心理学の学位を持っている)が作り上げた、スウェーデンリーグ(当初4部のチームをELノックアウトラウンド出場まで導いた)仕込みのアタッキングサッカーを、3年前U-17イングランド代表を優勝に導いたスティーブ・クーパー(常に眠そうな顔をしている)がどのように進化させるのか、シーズン序盤は非常に注目されていました。
FWボルハ・バストン(昨シーズンアラベスで乾とチームメイト、冬の移籍でPLアストンヴィラへ)、アンドレ・アイェウ(元ガーナ代表)、ベルサント・ツェリナ(コソヴォ代表)など癖しかない攻撃陣をひっさげ開幕スタートダッシュに成功したものの、現在10位。第3節も観戦した身としては、どのような変化が起きたのか注目です。
一方の対戦相手はウエストブロムヴィッチアルビオン(WBA)。我らが稲本潤一が昔所属していましたね。
現在首位リーズを追いかける2位と、さすがは昇格降格を繰り返すチームらしい、安定したパフォーマンス。
今シーズン1試合も観た事はなかったのですが、前情報としては名将スラヴェン・ビリッチ(元クロアチア代表DF、同国代表監督、一時期ロックバンドでも活動)の下、FWハル・ロブソン=カヌー(ウェールズ代表、2016年EUROで魅せたクライフターンはなぜかロブソン=カヌーターンとしてウェールズサッカー協会のコーチ教本に載っている)、DFキーラン・ギブス(アーセナル時代冤罪レッドカードを喰らった)、FWチャーリー・オースティン(元祖ゴールマシン)など、2部リーグとは思えないタレントを要し、目下再びのプレミアリーグに向けて奔走中です。
<試合概要>
さあ、スターティングメンバーは以下の通り。
SWAはDMF/CMのグライムス、トップ下のギャラガー(チェルシーアカデミー出身)とFWブリュースター(リバプールからレンタル)、アイェウを中心とした1-4-2-3-1の配置。あまりDF陣に関する情報がないため、どのように昇格筆頭候補の WBA相手に立ち回るのか、注目です。
WBAは モダンな1-4-1-2-3の布陣。テクニカルな選手を輩出してきたクロアチアが誇るロックギタリスト、ビリッチが率いるチームですから、英国名物キックアンドラッシュはおそらく採用していない予想。注目は LWGのカラム・ロビンソンで、彼は1部PLのシェフィールドUから移籍してきた万能型ストライカー。あとはロブソン=カヌー、ギブス、オースティンやリバモア(PLにいたころのハルにいた記憶)以外よく知りません。控えのグロシツキ(ポーランド)は2018年ワールドカップで日本と対戦した爆速ウィンガー。冤罪ギブスもしっかりとベンチです。
さすがはPLのお膝元、前半からどちらも攻守のプレースピードでインテンシティの高さを見せつけます。
WBAは案の定英国名物に一切の興味関心を示さず、2CB +1FB+ DMFたまに +CMでクリーンなビルドアップを狙います。2CMと2WGにボールを預け、じわじわと相手DFブロックを崩していく最近流行りのクロアチアンスタイル(よくわかりません)を徹底。いわゆるハーフスペースをCMもしくはWGで狙っていき、SBのワイドスペースへのランニング、あるいはFWのゴール前への飛び出しからニアゾーンでの折り返し、ゴールゲットという攻め方が多く見られました。
DMFのソーヤーズがSBを押し上げるために下がってビルドアップに参加することもあり、この辺りのローテーションは流石ロッケンローラービリッチ、相手のDFブロックを崩すために設計しているなという印象。
また最前線は3FW + 1CMでラインを作ると、そこから相手ライン間に選手がポジションを取り、相手DFを引き出し相手DFラインにギャップを作ろうとするトライが多く見られ、大好きだった昨シーズンの京都パープルサンガをふと思い出しました。
WBAのDFはブロックをつくるよりは、前に押し込んでからロングボールを蹴らせ、2CBの1対1でボールを取りきるという強気な戦略。アジャイとバートリーともに強くて速い系CBのため、うまくはまっているような印象でした。
一方のSWAはWBAのゴールキックを守備の起点とし、最前線からマンマークでボールを奪う作戦にでます。しかしSWAのSBが背後のスペースを警戒しすぎてか、WGに対してプレスをかけられず、面白いようにWBAのWGやCMにボールが収まります。ミドルゾーン以下での守備も、前述のWBA最前線の落ちる動きにプレスを掛けられず、結果ライン間で前向きでボールを持たれる機会が多くなり、ピンチになる場面が多かったです。
ボールをミドルゾーン以上でなかなか奪えないスウォンジーは4-1-4-1のDFブロックでWBAのパスワークを引っ掛けたあと、WG/SBにボールを預けるorスペースに走らせ、そこから手数を掛けず攻めていくイメージ。ギャラガー、ブリュースター、カルル、アイェウの四人が比較的自由にポジションを取りながら、サイドを崩していました。
ブリュースターは英国大手派遣会社リバプールの大エース、フィルミーノのような万能型ストライカーらしく、若手らしいDFが適当にクリアしたボールも拾ってくれる度量の広さ、足元の技術の高さ、ひたむきさが垣間見られました。
特筆すべきはWBAのプレースピードの速さ。特に中盤以降のパスワークは高速キャッチアンドリリースを徹底しており、SWAのハイプレッシャーを微塵も寄せ付けません。ロブソン=カヌ、ロビンソン、クロヴィノヴィッチ、リバモアあたりのパススピードはトラップしたら捻挫するんじゃないかってくらい速かったです。
昨年チェルシーと川崎Fを灼熱のなか観戦したときも感じたのですが、少なくとも英国の2部くらいまではチームによりますが非常にプレースピードが速い印象。部活のパス練習でやったら先輩からキレられるような速度のショートパスを出しますし、ディフェンス側は相手の足ごと狙うかのごとく全速力でプレスを掛けていきます。ちなみに僕がお手伝いしているサッカースクールでも、「ボールを取るときは相手の皮膚(skin)ごと持っていけ」と7歳の子供達に真剣に教えています。
こんな感じで、WBAがボールとハーフスペース、DFライン間を支配してゲームを進めますが、決定的なチャンスは1、2回程度で、なんとなくSWAも耐え、アイェウ、ブリュースター、ギャラガーのカウンターでチャンスを迎えるも決めきれないという試合展開。
後半になると、SWAは一転相手陣内にボールがある段階から両SBが高めにマンマークを張り、これでWBAは前半ほどSWAのプレスを回避してポゼッションしていく事ができなくなりました。とはいえSWAの攻撃陣もサイドのカルル、アイェウを中心に背後を狙っていきますが、決定的なチャンスとまではいきません。
結果70分過ぎから最初の一手を自然と英国名物にお互い頼るようになり、ファンもボールを早く前に送れと叫び出す始末。気づけばお互いに相手中盤の不用意なボールロストからチャンスを作る→決められないという展開になり、0−0で試合終了。
個人的MOM = クロヴィノヴィッチ(WBA)
理由:CMの脇、DFラインの前に顔を出す動きが秀逸。キック、コントロール、プレイ視野の広さが良。
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WBA、少なくともこの試合は攻守共にコンセプトが観られるいいチームでした。やっぱりCBにスピードがあると、チームとしてできる事が広がるんですかね。
SWAはポゼッション色が思ったよりも薄く、今後どうなっていくのか注目です。
では、また次回、下部リーグの旅は続く。